
肛門外科
おしり・痔の治療
肛門外科について
肛門外科は多くの肛門疾患に対応する診療科です。肛門に痛みなどの症状があっても、「恥ずかしい」という気持ちから受診をためらっていませんか?
放っておくと症状は悪化してしまいます。また単なる痔だと思っていても、実は大腸がん(直腸がん)や肛門がんなどの悪性疾患が潜んでいる可能性もあり、注意が必要です。
また女性の場合は妊娠・出産やホルモンの影響で便秘になりやすく、切れ痔(裂肛)など女性のがなりやすい肛門疾患もあります。
おしりのトラブルで、ひとりでお悩みではないですか?
―プライバシーに配慮した診療体制―
当院では、受付で肛門科の受診の旨をお伝えいただく必要はございません。肛門科の診察室は消化器内科と同じであり、受診内容が他の方に知られることもありません。プライバシーに最大限配慮し、看護師立会いの完全個室対応で診察を行っています。
日本大腸肛門病学会専門医が、恥ずかしさを感じさせない配慮のもと、肛門疾患の診療を行っています。デリケートなおしりの悩みに対し、安心して受診できる環境を整え、患者さまが気軽に相談できるよう努めています。
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当院の肛門外科の特徴
痔の日帰り手術に対応
当院では、日帰りで痔や痔瘻などの肛門の手術が可能です。
入院しなくて良いため、費用も時間も節約できます。保険診療です。
切らない痔のジオン注射(ALTA療法)が可能
内痔核に対して、で痔核本体に炎症を起こし退縮固着させる治療法です。ジオン注射のみで行う場合と、ジオン注射と手術を組み合わせる場合があります。
治療に要する時間や術後の出血や痛みなど体への負担が、切除手術より少ない一方で、ジオン注射単体では再発率が高いというデメリットがあります。
恥ずかしくない、安心の受診環境
恥ずかしさから、肛門の病気の受診をためらう方も少なくないと思います。当院では、消化器内科の診察も同じ診察室で行っており、周囲の方に何の症状で受診しているかわからないように配慮しています。
大腸肛門病専門医が診療を担当
院長は、日本大腸肛門病学会をはじめ日本外科学会、日本消化器外科学会などの多くの専門医資格を有しています。これまで様々な症例を経験し、豊富な知識の基に肛門の診療を行います。安心してご相談ください。
完全個室対応でプライバシーを徹底保護
看護師立会いの元、完全個室でなるべく恥ずかしくないようにプライバシーを確保し、安心して診察を受けていただけるように心がけています。
デジタル肛門鏡を用いた診察
当院は、デジタル肛門鏡を用いて診察を行います。内視鏡検査のようにリアルタイムにモニターで肛門の状態を患者様にご確認いただけます。
治療前後の状態を見ていただくことで、治療の必要性や効果を実感していただけると考えています。
お気軽に受診いただける おしりの診療を
痔などの肛門の症状は、患者様にとって相談しにくく、ストレスや不安が多いものと思います。医療者にとっても肛門疾患は専門性が高い診療内容で、診察や治療には経験と技術が必要とされます。
今まで相談できなかった方、ひとりでお悩みの方は是非ご相談下さい。当院は、患者様ひとりひとりのご要望に合ったオーダーメイドな治療を提供できるよう一緒に相談していきま す。症状により入院治療が必要な場合は、連携する高度医療機関に責任を持ってご紹介をさせていただきます。
肛門は消化管(胃腸)の出口です。腸管と違い知覚神経が豊富なため、痛みや違和感を感じやすい部分です。肛門の筋肉を緩めたり縮めたりすることで排便や排ガスをします。
便潜血陽性とは
肛門とは
健康診断で「便潜血検査が陽性になった」などと聞いたことはありませんか?
便潜血検査は大腸がんのスクリーニング検査として幅広く用いられています。便潜血検査で陽性とは、便に少しでも血液が混じっている状態です。ほとんどが肛門のからの出血で、内痔核や切れ痔が原因ですが、炎症性腸疾患や大腸がん、虚血性腸炎などが出血源の可能性もあります。
従って、当院では痔に限った診療のみを行うのではなく、便潜血検査が陽性であったり血便の症状がある方には、見逃しのないよう大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を受けていただくようにしています。
よくみられる肛門疾患の症状
肛門の膨らみ・出っ張り・できもの
内痔核(脱肛)、外痔核、皮垂、見張りいぼ、肛門ポリープ、直腸脱、肛門腫瘍、大腸ポリープの肛門からの脱出などが考えられます。
肛門ポリープはほとんどがん化することはありませんが、大腸ポリープは大腸がんに進行する可能性がありますので、早めの切除が必要です。出っ張りや膨らみに気付いたら早めに受診しましょう。
肛門からの出血
痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)などが考えられます。
肛門からの出血は肛門科外来では最も多い症状です。肛門疾患以外にも、大腸がんや炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)など、大腸の病気が原因である可能性もあります。大腸カメラ検査(内視鏡検査)で診断を確定する必要があります。早めに受診しましょう。
肛門の痛み
裂肛(切れ痔)、血栓性外痔核、肛門周囲膿瘍、膿皮症、毛巣洞、肛門ヘルペス、または脱肛などが考えられます。内痔核でも進行して嵌頓痔核(戻らなくなる)になると激痛をともなうことがあります。早めの受診をお勧めします。
肛門の痒み
肛門掻痒症、肛門部皮膚炎(湿疹)、白癬症・カンジダ症(カビの感染)、肛門ヘルペス(ウイルス感染)、脱肛、痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろうなど排便習慣(便秘、下痢)が原因のこともあれば、肛門皮膚の感染や痔が原因のこともあります。それぞれ対処が変わりますので、当院へ一度ご相談ください。
便が出にくい・残便感がある
大腸がん、いぼ痔(痔核)・直腸脱、直腸瘤、肛門狭窄など大腸の狭窄を招く疾患が発症している可能性もあります。その場合、大腸カメラ検査にて狭窄の程度を調べます。当院まで一度ご相談下さい。
肛門の疾患
肛門皮垂(スキンタグ)
肛門皮垂とは、肛門周辺にできる皮膚のたるみのことです。別名、スキンタグとも呼ばれています。いぼ痔や切れ痔などによって肛門が一旦腫れ、腫れが引いた後に皮膚がたるんだまま残ってしまう状態のことです。出産後の女性にできてしまうこともあります。
肛門皮垂は放置しても構いませんが、肛門周囲の皮膚炎や、おしりを拭く際の痛みや痒み、汚れがなかなか取れない、肛門の違和感などの症状でお困りになる方も多いです。
〈治療〉
一度形成された肛門皮垂は自然に消えることはないた め、治療には手術で切除する必要があります。もちろんお困りの症状がなければ手術を受ける必要はありません。局所麻酔で日帰り手術が可能です。お悩みの方はぜひ当院までお気軽にご相談ください。
肛門ポリープ
直腸と肛門の境を歯状線と言います。肛門ポリープとは、この歯状線付近の肛門乳頭に発生する炎症性・線維性のふくらみです。
便秘や下痢の繰り返し、裂肛、痔核、痔瘻などの慢性的な刺激や炎症が原因だと考えられています。ポリープは大小様々であり、丸いものから、長い茎があるものまで形も多様です。
排便時にポリープが一緒に出てきて、出血することもあります。出てきたポリープを排便後に指で押し込むことができて、排便時以外は問題なく過ごせるケースもありますが、肛門周囲のかぶれや慢性的な便意の原因になることもあります。
また注意が必要なのは長く繰り返す裂肛(切れ痔)で、裂肛の奥にポリープができ、ポリープが出たり入ったりすることで裂肛が治らないという悪循環がよく見られます。
このような場合には早めにポリープを切除すると、裂肛も改善していく傾向にあります。是非当院までご相談ください。
〈治療〉
肛門ポリープは大腸ポリープと異なり、がん化することはありません。薬で直すことはできません。治療は手術になります。ポリープ単独の場合は、局所麻酔で簡単に切除が可能です。深い裂肛、痔核、痔瘻などの合併症がある場合は、この限りではなく別途根治手術が必要です。
肛門周囲皮膚炎
日常生活の改善やと内服薬、や軟膏処置で治療が可能です。肛門疾患は、薬物療法の他に、肛門マッサージ、排便や生活習慣の指導が有効です。