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25/10/15
〔コラム〕アニサキス症にご注意を!
お寿司や刺身、しめサバなど、日本の食文化に欠かせない「生魚」。サンマや秋サケの美味しい季節ですね。
ですが、同時に注意が必要なのが「アニサキス症」です。ニュースやSNSでも話題になることが増え、「あの強烈な痛みは忘れられない」と体験談を語る方も少なくありません。
アニサキス症とは?
アニサキスは魚介類に寄生する寄生虫で、サバやイカ、サンマ、アジ、サケ、イワシ、カツオなどによく見られます。私たちがこれらを生で食べた際に、アニサキスの幼虫が胃の粘膜や腸の粘膜に食い込むことで発症します。
症状はなぜ起こるの?
摂取後、数時間以内に突然、激しいみぞおちの痛みや吐き気が起こるのが典型的ですが、そこまで症状が強くない場合もあります。
「アニサキスが胃に食い込むから痛い」と思われがちですが、実は胃粘膜局所に起こるアレルギー反応による炎症が主な原因であると言われています。このため、人によってはじんましんや呼吸のしづらさなど、アレルギー症状が出ることもあります。
検査と治療
診断と治療には胃カメラ(内視鏡検査)が最も有効です。胃の中を直接観察し、アニサキスを発見したら、その場で鉗子を使って摘み取ります。取り除いた瞬間に痛みが和らぐことも多く、まさに即効性のある治療です。
予防のポイント
一般的にアニサキスは
・加熱(60℃以上で1分以上)
・冷凍(-20℃で24時間以上)
で死滅すると言われています。 「酢でしめる」「醤油につける」「ワサビを添える」などでは死なないため注意が必要です。新鮮な状態こそ危険なわけです。
当院での対応
当院では、アニサキス症が疑われる患者さんに対し、迅速に胃カメラで診断、そして治療が可能です。経験豊富な内視鏡専門医が対応いたしますので、「しめ鯖やサンマなどの刺身を食べた後から強い腹痛がある」といった場合には、早めに当院までご相談ください。
写真は先日、アニサキスの除去治療をさせていただいた方の内視鏡写真です。(ご本人には了解を得ています。)
寿司職人の方で、冷凍などさせる前の試食の際に感染した可能性があります。腹痛で受診していただき、即日検査→治療をさせていただきました。
新宿目白 胃•大腸内視鏡と肛門
うえひら消化器クリニック 院長
