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 新宿目白 胃・大腸内視鏡と肛門 うえひら消化器クリニック

Proctology / Hemorrhoids

肛門の症状・痔

Understanding Hemorrhoids

痔ろう(あな痔) 

What It Is

痔ろう(あな痔) とは

痔瘻(あな痔)は、肛門周囲の皮膚と直腸をつなぐトンネル(瘻管)ができる痔のことをいいます。

肛門管内から発生し、肛門や直腸周囲に膿がたまる肛門周囲膿瘍という病態が、自壊して排膿または切開して排膿された後に繊維化して瘻管が形成されたものが痔瘻です。

肛門周囲膿瘍の切開排膿後の痔瘻への移行率は30%程度と言われています。

 

痔瘻(あな痔)になりやすい人

痔瘻は30~40代の男性に好発し、肛門周囲膿瘍も同様に男性に多い疾患です。前方にできる痔瘻は女性に多いことが報告されています。

痔

Causes

痔ろう(あな痔) の原因

肛門と直腸の境目の歯状線には肛門陰窩という小さなくぼみが並んでいます。通常は肛門陰窩に便が入ってしまうことはありませんが、下痢などで入ってしまうことがあります。便が入っても健康な状態であれば感染を起こしませんが、免疫力が落ちていると細菌が繁殖し、感染が起きて肛門周囲膿瘍を発症します。
肛門周囲膿瘍が進行して膿が管状のトンネルを作り、皮膚に出口を作ってしまうと痔ろうとなります。

頻度は高くないですが、裂肛から発生する痔瘻、クローン病に合併する痔瘻、結核やHIV感染、膿皮症などが関与する痔瘻も存在します。痔瘻は放置すると複雑化し、まれにがん化することもあります。


痔瘻のような症状が見られたら、まずは専門医療機関を早めに受診し、診察を受ける必要があります。
その上でクローン病などに合併する場合もあるため、大腸カメラ検査を施行することをお勧めしております。当院まで是非ご相談下さい。

Symptoms

痔ろう(あな痔) の症状

症状

  • 肛門周囲の腫れや痛み

  • 肛門周囲からの膿や血液が出る

  • 肛門周囲の皮膚の感染

  • 肛門周囲の痒み・不快感

  • 発熱



痔瘻の分類

痔瘻の原因となる直腸の小孔を原発孔、トンネルの皮膚への開口部を二次孔と言います。

原発口から二次口が1本のトンネルの場合を単純痔瘻、トンネルが枝分かれして二次口が複数あるような状態を複雑痔瘻と言います。

この単純痔瘻か複雑痔瘻かに加えて、トンネル(瘻管)の走行パターンの解剖学的に分類した隅越分類が本邦では汎用されています。

Ⅰ 皮下または粘膜下痔瘻

L 皮下痔瘻 H 粘膜下痔瘻

Ⅱ 内外括約筋間痔瘻

L 低位筋間痔瘻 H 高位筋間痔瘻

Ⅲ 肛門拳筋下痔瘻

U 片側もの B 両側もの

Ⅳ 肛門拳筋上痔瘻 


男女共にⅡLが最も多いです。

Treatments

痔ろう(あな痔) の治療

痔瘻の自然治癒はまれで、手術でしか治すことができません。
放置するとトンネルが枝分かれして広がり複雑痔瘻になります。複雑痔瘻の手術は入院を要することが多く、難易度も上がります。複雑痔瘻を長い間放置するとまたがん化(痔瘻がん)することもあり、複雑痔瘻になる前に治療することが大切です

痔瘻の手術は再発や合併症の観点から、トンネルの切除と肛門括約筋を傷つけないことが重要です。痔瘻の方向や走行、深さや型によって根治性と機能温存を考慮した手術が行われます。


当院では痔瘻の日帰り手術が可能か否かをしっかりと見極め、複雑痔瘻など入院治療が必要な場合は、提携している医療機関をご紹介させて頂きます。
痔瘻の診断と手術は、経験と知識のある肛門外科医への受診が重要です。

痔ろうの手術

各術式の特徴についてこちらに詳しく纏めています。

  • 術式

    痔瘻のトンネル(瘻管)を入り口(原発口)から出口(二次口)まで切開解放して全て切除する術式です。

    手術適応

    背中側(後方)の痔瘻や浅い(皮下痔瘻、低位筋間痔瘻)痔瘻

    メリット

    肛門後方部であれば括約筋を多少切開しても機能的に問題が起こりにくいとされています。再発率が約1~2%とかなり低く、根治性が高い治療です。

    デメリット

    前方の痔瘻や深い痔瘻で行うと括約筋が大きく損傷し、肛門の変形や便漏れのリスクがあるため適応にはなりません。

    術後経過

    肉が下から盛り上がって治癒するまでは、個人差はありますが概ね2〜3ヶ月かかります。

  • 術式

    トンネル(瘻管)の入り口(原発口)と出口(二次口)の間にシートン(seton:ヒモの意味)と通して、少しずつ縛って時間をかけて瘻管を解放する術式です。医療用のゴムや糸が使用されます。

    手術適応

    あらゆる痔瘻に対応可能ですが、距離の長い痔瘻や深い痔瘻に向いています。

    メリット

    ゆっくり少しずつ切開するため、肛門括約筋は切離と治癒が同時に進行し、肛門機能へのダメージが最小限に抑えられます。肛門の変形が少ないという利点もあります。再発率も低いです

    デメリット

    治療には時間を要します。その間はおしりにゴムをつけて生活する必要があります。また外来で何度か輪ゴムを締め直す必要があり、その際に多少の痛みや違和感が生じることがあります。輪ゴムが入っていても日常生活は可能です。

    術後経過

    シートンが徐々に外側に抜けてくるため、3〜4週間おきにシートンを縛って絞める必要があります。個人差はありますが、ゴムが抜けるまでに、浅いものでは2〜3ヶ月、深いものでは4ヶ月以上かかります。その間は定期的な外来通院が必要になります。

  • 術式

    二次口側からトンネル(瘻管)をくり抜いて切除する方法です。原発口と肛門括約筋の瘻管を縫合閉鎖します。肛門括約筋が切断されないため、肛門機能の温存に優れています。

    手術適応

    深く複雑な痔瘻、前方や側方の痔瘻

    メリット

    肛門機能温存に優れる、治療期間は短いです。

    デメリット

    再発率が他の術式より高い。

    術後経過

    創部の大きさに比例した痛みはあるため、外来の定期受診で痛み止めの処方や再発の有無を確認します。

痔ろう(あな痔) の予防法

肛門の衛生の改善
排便後はウォッシュレットを使用するなどして、肛門周囲を清潔に保ちましょう。


食生活の改善
食物繊維を多く含む食事や十分な水分を摂取し、便秘や下痢を避けることも効果的です。

おしりの悩み相談してください

痔瘻は自然治癒は見込めません。複雑痔瘻の手術は入院を要することが多く、難易度も上がります。複雑痔瘻を長い間放置するとがん化(痔瘻がん)することもあります。
またクローン病を合併している可能性もあり、大腸カメラ検査も行うことが推奨されます。
肛門付近に腫れや痛みが起きている場合は、早めに当院までご相談下さい。

安心してご受診いただけるよう

「恥ずかしい」という気持ちから肛門の病気の受診をためらう方も少なくないと思います。当院では、消化器内科の診察も同じ診察室で行っており、周囲の方に何の症状で受診しているかわからないようになっています。
また、看護師立ち会いの元、完全個室でプライバシーにも十分配慮し、安心して診察を受けていただけるよう心がけています。
もうひとりで悩む必要はありません。是非、お気軽にご相談下さい。

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